哀愁の広島空港

広島空港はファミリーレジャー施設なのだ

僕は週末の家庭のくつろぎを求め広島空港に居る。山中に配置された広島空港周辺にはキャンプ場や運動場、サイクリングやハイキングコースそして大きな広場があるから家族連れには結構いいレジャー施設なのだ。僕はF4の入ったカメラバックを脇に置き広い芝生の上に寝ころび廻りで子供が遊び声を聞いている。そのときだ・・・


ゴーーーーキーーゴーーン


すごいうなり声のようなエンジン音とともに広場の上空をジャンボジェット機が通り過ぎた。実は広場の隣は滑走路なもんだから飛行機は着陸態勢で低空まで下りて来ている。(因みに写真は離陸 上昇中の飛行機なんでちょっと高い位置です(^_^;)巨大な物体が空から下りてくるのを見て「すごい迫力だな」なんてのんびり見ていると膝元にあるF4くんが何か言っている。「・・・・」。何?・・・あ出番 か。

デアイ

どうせなら着陸してくるのなら真下で飛行機のおなかを撮りたいな・・・(すごく安直な考えだ)なんて考えながらひろーい芝生の広場を横断しながら下りてくる位置を探してみる。次の着陸がいつ来るか分からないのでF4くんに僕の標準ズームを付け肩から下げて・・・でもあまりの広さと滑走路のどこに飛行機が下りてくるか分からず迷走状態 になる。
「わかんねーやこりゃ」
すると遙か前方に三脚を立てているお人発見。普段ならシャイな僕はじゃまになってもいけないのであまり話かけたりしないのだけど今回はちょっと勇気を出して話かけてみた。
「こんにちは」
「ああこんにちは」
「写真撮ってるんですか?」(見りゃわかるだろ)
とこんな訳のわからん掴みで会話は成り立ち始めた。気さくにも僕の変な掴みを受け止めてくれたその人(以下エアポートごっち氏・・・変な名前でごめんなさい)の装備はF5に400mmの超望遠大口径単焦点という重装備。
「よく来られるんですか?」
「気が向くときますね。」
「ここら辺に飛行機下りてきますかね?」
「ああ、ここの上に下りてきますよ。」
おおお実は目標ポイントじゃないかここら辺は・・・なんて思ってるとエアポートごっち氏が僕のカメラをチラと見て・・・
「撮るのだったらここもいいけど長いのがいると思うよ。もうちょっと向こうにいけば着陸を正面から撮れるし短くても大丈夫だよ。」
「ありがとうございます〜。」
「今日は土曜日だから飛行機遅刻気味だけど。あと15分ぐらいで次降りてくるよ。」
言葉に信憑性と重みある。エアポートごっち氏は飛行機の離発着の時間から既に頭に入っているようなのだ。で僕のようにサンダルはいて気の向くまま興味だけでカメラ構えているのとは わけが違うのである。やはり地道な調査と準備があってこそいい撮影が出来るはずなのだ。飛行機撮影もそれなりのテクニックと知識が不可欠とわかり新境地発見に「わくわく」してしまった。

ああ無情

エアポートごっち氏に「ありがとうございました。」と感謝とお別れ挨拶をし教えてもらったポイントに着きました。エアポートごっち氏の言うとおり確かに滑走路の突端になるこのポイントだけど滑走路が僕の立つ位置より数メートルくらい高いため着陸は見渡せない。そのかわり飛行機の進入方向は非常にクリアだ。わくわくしながら待っていると・・・チャラチャラリンリンと僕の携帯がなり始めた。諸事情により僕はシャッターを切ることなくその場を離れることになる。「また来よう」と意気消沈した僕はシブシブF4くんをバックにしまうその瞬間


ない〜〜〜( ̄Д ̄;)


どう見ても無いのだ僕の標準ズームの花形フード(定価\3500)が・・・なんて事だ・・・辺りを見渡せどひろーい芝生の広場が僕を更に 黄泉の世界に引きずり込むのです。

-2002.07.11