よく行く撮影地での1ページ
         with Nikon FE2

 

 

 

 

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よく行く撮影地での1ページ

研ぎ澄まされる感性を磨くには欠くことの出来ないのはホームコースだ。第2コーナーのバンク内側から50センチの所にあるギャップから割り出すクリッピングポイントに染みついたコーナーの繋がるリズム。わずかなわだちに派生する雨上がりに出来るストレートのプールの位置とアクセル全快ポイント。ホームコースを知り尽くし征服したとき自分にとってのスタンダードは確立される。そして初めてコースの条件の変化やマシンの状態から自分自信の調子まで見えてくるのだ。スタンダードスタンスの確立とリズムと感性があればどんなコースでどんなマシンを走らせてもそこには応用の世界が待つのみ。研ぎ澄まされた感性は色々な情報をヘルメットを通して伝えてくれる。これがホームコースの重要さだ。今回は僕の風景写真ホームコースでのお話だ。

串掛林道

僕は今串掛林道にFE2を持って立っている。この場所からは広島市街地が一望できる地元では知る人ぞ知る裏夜景鑑賞地(表にはブルームオブユースのデビュー曲に歌われている灰ヶ峰がある)なのだ。今日の3月上旬のホリデイの天候は晴れたり曇ったりの時折降る雨を避けながら新しい景色を求め途中で缶コーヒーと煙草を用意し車を走らせやってきた。いつもながら時間制限付きだがこれも趣向の一時の燃える条件だ。助手席に乗っているカメラバックの中にはAFAi 70-210mmf4と単焦点3本セット。そしてカメラはFE2で中には先日のお雛祭りポートレートで使ったネガフィルムが10枚ほど残っている。夕暮れまでに廻りをスナップでもしてその後にポッケに忍ばせた天下の宝刀ベルビア登場の予定なのだ。今日は訳あって珍しくF4くんはお休みなのだ。

趣向の一時

廻りを見渡すと陽に厚い雨雲が覆い被さろうとしていた。風は3月とは思われないほど強く冷たい。「ばっくしゅん!」またどこかのかわいこちゃんが僕の噂をしているらしい。そんな中まず眼に入ってきたのは陽の遮光が広島湾を照らし船影がくっきりと映し出されて瀬戸内風景だる。とりあえず雨雲をAEロックし一枚撮影。そして広島市街地の方に眼を向けると何やら今日はもやが掛かって見える。ん!アレってもしかして雪?・・・と思った瞬間僕の頬に何やら冷たい物が・・・やっぱり雪?。何せ今は僕の趣向の一時なのである。雪なんかに負けてられないのだ。

ベルビア登場できず

「ばっくしゅん!」・・・FE2に70-210ズームを付けたまま廻りを散策しながら数枚撮っていると何となくFE2の追針計の針がズンズン見る間に下がってくる。手持ち撮影の限界を軽く超えてしまった。カメラから眼を話すと・・・・強い寒風とともに凄まじい勢いの雪が僕に向かって襲ってきてる。「ばっくしゅん!」夕陽なんてもうどこにもない有るのは一面16%グレーの景色と雪だらけ。これではどっち向いて撮っても同じ風景だ。我に返りながら僕の背中に既に1センチの積雪を確認。「ん〜ちょっとやばいかな。そろそろFE2くんをかばえなくなりそうだ。ここは車の中で待機することにしよう」「ばっくしゅん!」10分後車を3センチ程度の雪がとっぷりと包み込む事になる。「ばっくしゅん!」

「ばっくしゅん!」

今まで「今日はだめかな」なんて天候でも少し待っていると一気にサーッと雲が流れとてもきれいな夕日を見つけることができたことがある。そんな甘い誘いに負けて今僕は暢気にも雪の降る中待っていた。「ばっくしゅん!」一体今日は何人のかわいこちゃんが俺のことを話しているのだろうか。妙に鼻がむずがゆい。「ばっくしゅん!」しかし僕の願いもむなしくとうとうあたりは雪と霧で真っ暗になってしまった。これではとても撮影どころではないので今日は諦める事にした。が・・・どうすんの周りは雪だらけ。「やっべ〜このままじゃ帰れなくなるぞ」車のアクセルを丁寧に踏んでみるスタッドレスもつけない僕の愛車の前輪は微妙に空回りしながらも何とか進み始めた。取りあえずは一安心だが前方の視界は2mも無い。「ばっくしゅん!」・・・どうなってるんだ今日のこのくしゃみは。ただでも神経使う運転の妨げる様に次々と「ばっくしゅん!」
・・・・・・・ああああああああああああっっっっっっ思い出したぞ!!僕って数年前から花粉症だった。本当にすっかり忘れてた。そんなことをやっと思い出した僕の目はますますゴロゴロと涙ぐみ始め鼻水だーだー状態に。結局うんずりもんずりしながら来るとき10分の峠道を60分かけて帰ることとなってしまった。「ばっくしゅん!」「ばっくしゅん!」あぶねーたらありゃしねー。

やあっぱりまぬけなのだ

え〜(^_^A;;皆さんもカメラに夢中になりすぎ自分の置かれている状況や健康管理に十分お気を付けください。自然との対話もお忘れ無く。とは言え自分のいつも行くなじみの場所って言うのも案外想い出になっていいもんだと無事車をぶつけることなく帰ってきてから思ったのであります。ああ気象予報士になると便利かな・・・

 

因みに本文のあちこちにある文面の側の写真は僕の撮ったホームコースでの写真達です。クリックしても大きくはなりませんあしからず。

-2001.3.8