F4とF80と私・・・私の戯言
         about Nikon F4/F80

 

 

 

 

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F4とF80と私・・・私の戯言

とうとう2000年4月27日F80の発売日がやってくる。
最初にこの文章は余りカメラについてと言うより個人的意見の暴走が生み出したの吹き出物のような文章です。お読みになる方が広い御気持ちで読んでいただけると信じて公開します。

モンスターF80

最近今まで噂だけだったF3生産終了説が現実の物となった。そんな情報と共に登場したF80はママさんカメラF60Dの590gを遙か下回る「Dタイプ」520 g「Sタイプ」525 gF4の約半分とより軽くF100と同等の機能を持ち更に内蔵フラッシュ装備とF80SにおいてはF一桁の特権だったコマ間データ記録ができその上定価はF100を遙かに下回る。その上光る新ファインダーまで装備しまさに夢のようなカメラらしいのである。新技術として格子が表示可能なマルチディスプレイスクリーンや視認性に優れたバリブライト・フォーカスエリアまで・・・あえて言えばファインダー視野率が92%とF100の96%と比べれば少しおとなしめかもしれない。もしかすればニコンのF80は全てのカメラ撮影者に「何にでも使っていいよ。どこにでもどんな場所でだってついて行くから・・・。」と言い切れそうなカメラである。もちろん弊害としてのMFレンズ非対応があるがMFレンズを持っていない私にはまだ不利益な話でもない。
こんなモンスターなF二桁カメラに重量1kgを越すF4くんの勝ち目はあるのだろうか?もちろん数字や機能・装備を見てもらえれば勝ち目など無いだろう。しかしだF80D/Sにはなし得なく私に取っては無くてはならない物がある。それはニコンと言う職人さんがコツコツ丁寧に造り込んだF4だから信頼できると言う勝手な私の思いこみだ。しかし今のニコンF80では少なくとも思いこむ事はできない。私にとってのニコンはもっと「便利」「機能」よりも「撮影」全体の喜びを追った職人さんだと思っていたのだ。ニコンには高気密断熱ハウスメーカーの住宅より大工さんがコツコツと建てた家のイメージがありそこには一生の家族の生活をする場所としての安心感があったように思うのだが現実は非常に厳しい世界なのだろう。日本カメラ界においてはニコンにそれを求めている人は少なくないようにおもうんだけどな。

私の変なこだわり「男の七つ道具」

S私がカメラを始めた理由の一つにカメラに「男の7つ道具」を感じた部分がある。そんな呼び方をするぐらいだから昔から一度使い初めたら別の物に余り替えるのが好きでない。言い換えると「一つ物を大切に使い続けたい」と思う「愛着」の気持ちがある私にはアナーキーA氏にF4を見せてもらった時に「これは凄い私の七つ道具の一つにしたい」などと勝手に思ったことからカメラへの「泥沼」な生活が始まった。

ラインナップ

私が小学校の頃の「七つ道具」のラインナップには祖父からもらった革袋に「砥石で作った石のナイフ」「金属製の大きな懐中電灯」「何かの付録で付いてきたプラスチックのコンパス」などのがらくたがあった。そのころは道具を見て「遊び」を想像していた。石のナイフは切れそうな物に手当たり次第挑戦し頭にこぶを作り懐中電灯は洞穴探検への甘い誘いをかもしだしコンパスは山の尾根を探検する事を決定づけてくれた。他と違うのは遊びのための「物」ではなく「物」で遊びを想像していたことだろう。要するに私で言う「男の七つ道具」は何かをするための道具というよりも何かをさせてくれる道具なのだ。「創造性」や「創作意欲」を駆り立ててくれる物と言うのが昔から最大重要事項だったのだ。

余談

小学校の時、魚釣りがしたいと言う私に父が・・・(父が友人からもらった物?)釣り竿をもって帰ってきた。「船釣りセット」と書かれたビニール袋に入った竿とリールのセットを2セット用意してである。竿は長さ約1.6mぐらいの2本継ぎと2.5m位の3本継ぎのセットだった。それから父や友人と魚釣りに行くようになり非常に重宝したが糸を通すガイドが壊れ使えなくなった。それを父は針金でガイドを自作しそれをボンドを浸した凧糸で竿に固定してくれた。正直今に思えば父に物の扱い方を教わったのかもしれない。もちろん今でもその竿は健在に活躍し用途的に問題はあるが流行のバス釣りや海釣りにも使っている。この竿がもし折れようもんならまさにラスカルとのお別れ状態ものであろう。

結局・・・

被写体を見つけようとF4くんと共に暮らしていると色々な物に目がいく様になり今まで気が付かなかった世界が見えてくるようになった。だから私にとっては性能や機能よりも耐久性や使い心地と長い付き合いが出来るという方が嬉しいのである。

きっと運動会などの恒例の行事の撮影隊には他社のカメラと肩を並べてF80が登場する日も近いだろう。祝「F80」発売。

-2000.4.25