車窓から

バスに乗ると
目の前を軒先が
かすめるように
なめていく
垣根の中の物語
いつもより少し
うつむいて歩く人
道路サインは
目の前に突然現れ
信号機が僕をのぞき込む
人々は僕を避け
風景がのぞき込む
自分より少しだけ
沈んで世界が回っている
車窓から


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