長距離高速バスの旅は移動過程で全く情報を閉鎖されてしまう。
バスで往復した場合、目的地へもそうだが帰路においても同じ事。
そんな帰り道のバスは行きとは違った感情に飲み込まれることがある。
闇の中をひた走るバスの中にいると
狭いバスの外世界に異次元を感じてしまった。
どこか別の世界に実は繋がっていて
バスを降りれば別の場所へ行って戻って来れない。
その事に少しワクワクしている自分に出会ってしまう。
興味なのか逃避なのかわからないが
その感情が有ることに少し安心すら覚える。
痛いと感じるために自分の手を噛む
痛いと感じて安心するそんな感じだろうか。
そうするとある意味、私は麻痺して居るのではないだろうか。
とも思えてくるが、麻痺と言うより
興味への執着心が有ることに安心を覚えているのかもしれない。
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月別アーカイブ: 2010年2月
目をこらすとき
まず一歩目を踏め
ルールの中の異次元
長距離高速バスの中はいつも通り照明は落とされ窓にはカーテンでくるまれていた。
男性には少々過度に感じる冬場の車内の暖房の中
乗車前に下手にがぶ飲みしたアルコールが
私の体で熱を膨らませている。
頬を撫でるちょっした冷気を
窓際の右手が追いかけて
スカートの裾に手を入れるように
カーテンの中に手を滑らした。
ガラスのひんやりとした心地よい感覚が伝わってくる。
光がもれないようにカーテンにくるまるように顔をつっこみ覗いてみると
そこには万華鏡のような世界が広がっていた。
もしこれが自分の車の中だったらそう見え感じたのだろうか・・・
人と人が過ごすにはルールがありその為に制限を受けている。
しかし、その事を守りながらその上で自分で一歩前に踏み出せれば
もしかしたらもう一つの世界が見えるかもしれない。
::雨幕カーテン::車中::Canon EOS20D::(C)ろくろー
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帰ってきた夢
あれは名古屋に姪に逢いに行った帰りだった。
いつものように真っ暗に閉ざされたバスの中で
ここ数日間の疲れを背中に感じながら浅い眠りについてしまう。
小さな女の子が子供の僕の前に立っている。
「どこいくん?」
「どこいこうか」
そんな真夏の風景だった。
「じゃぁいつもの所へいこうか」
「うん」
と二人は坂道を歩き始め
進むにつれその道は赤から始まりオレンジ黄色と
輝きながら七色に移り変わっていく。
最近は見ることはない
子供の頃から何回も見ている夢だった。
「どこ」へでもいけると思っていたあの頃
「なんでも」出来ると思っていたあの頃
ちょっぴりの安堵とじんわりした寂しさが
私の中に残っていた。
そんな高速長距離バス内紀行
::ふんばる::名古屋妹の自宅にて::Ricoh caplio GX100